詩吟を習って,先人の生き方を学びます。漢詩や和歌、俳句に節をつけて腹から声を出して歌います。
健康増進、ストレス解消に最適です。

梅花と詩吟と小田原散策

菅原道真公、松尾芭蕉先生、土方歳三副長 日本の梅花好き三人衆(個人的見解ですが)

梅花と詩吟と小田原散策 2025/03/05
 
 余寒お見舞い申し上げます。 梅の花が彩る季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 今年は開花が例年より半月ほど遅かったですが、3月に入り、ようやく満開を迎えました。 寒い冬を先駆け、美しい花を長く咲かせる梅は、古来より人々に愛されてきました。そして詩や歌に人生の想いを込めて歌われてきたのです。
単純に「梅好き」の勝負は中国かも知れませんが、 日本の詩歌は、梅を通じて人を想う心情を豊かに述べている点が魅力的です。 
 ぜひ詩吟教室にお越しいただき、生の詩吟を直接お聞きいただければ幸いです!
お待ちしております(^^)/

以下、詩吟でよく吟じられる吟題と作者についてご紹介します。

◆中国の漢詩
梅花 高啓:梅という言葉が一言も書かれていないのに、梅を愛でている詩!本当に素晴らしいです。

雪梅 方岳:梅、雪、詩。この3つが揃ってこその春。味わい深いですね。

春雨 陸游:また梅花と別れる。梅が大好きで、160句もの梅花をテーマにした詩を作った陸游さんは、中国で梅花詩の第一人者と言えます。
他にも「梅花絶句其三」や「卜算子・詠梅」など素晴らしい詩を残しました。

山園小梅 林逋:杭州西湖で隠遁し、梅300株を植えてその美しさを堪能した詩人。

◆日本の漢詩、和歌、俳句
寒梅 新島襄:「争わず、また努めず、自ずから百花の先駆けを占む」。梅の生存戦略を感じます。

東風吹かば 菅原道真:飛び梅伝説で有名な歌。菅公を思いながら吟じます。

新年雪裏の梅花に賦す 有智子内親王:一本の梅木に咲く花を見て宮中を偲んだ情景が印象的です。

春夕 佐藤一斉:梅を主人、月を主賓に見立て、黄昏どきの優雅なひとときを描写しています。

春日村行 木村岳風:「一点の梅花、水に映じて紅なり」。紅梅を特に好む様子が感じられます。

◆日本の歴史上の梅花好き3人
菅原道真:11歳で「月夜見梅花」という詩を作ったほどの梅好き。
松尾芭蕉:句碑が各地に存在するほど。「梅が香にのっと日の出る山路かな」が有名。
小田原の山角天神社の歌碑の当て字も面白いです(有米家可耳乃都登日能伝る山路閑難)。
土方歳三:俳人としての一面も持ち、梅に対する愛情深い俳句が多く残されています。意外な一面ですよね。

◆梅の生存戦略
他の花に先駆けて咲き、虫や鳥を引き寄せる。
実を結ばない花も咲かせる。
実を大型の動物に食べさせ、種を遠くへ運ばせる。

植物の生存戦略を知ると、梅の花や実にはその巧妙さが隠されています。それでも人々はその戦略を知らず、花の美しさや逞しさを自分の人生に投影し、歌を詠むのです。
この違いこそ、文学者と科学者の視点の差かもしれませんね。

以上

2025/3/5