詩吟を習っていると、その作者のことが知りたくなって、図書館で調べることがよくあります。先日の昇段審査では、漢詩は、伊藤仁斎先生の[一乗寺に遊ぶ]を吟じました。伊藤仁斎先生は、江戸前期の『論語』学者であられ、詩吟では、柔らかい漢詩が多いです。
一方、江戸時代後期の佐藤一斎先生は、朱子学の大家で[言志四録]を残され、人間の生き方を諭す漢詩が多いです。晩節を汚さないためにも、佐藤一斎先生の漢詩を座右の銘にされてはいかがでしょうか。
佐藤一斎先生作の、自警吟をご紹介致します。
[自警吟]
はんぱく
頒白 自ら憐れむ 遅暮の人
すべから あ
須く知るべし 三戒 終身に在るを
たとえ かんか ひら
縦令ひ 古樹に間花 発くも
枝頭 一刻の春に過ぎず
訳
白髪交じりの頭を見て、我ながら歳をとったと憐れみを感じるが、生涯にわたって色欲と闘争と利得についての三つの戒めは守らねばならない事を知るべし。
たとえ戒めを破って、枯木に美しい花が咲いたとしても、それは枯木の枝先の短い春のようなものにすぎないのだから。
人、50歳前後に至りて、春心の再び動く時侯あり、これ衰微なり。
若気の至りは許されても、晩節の至りは、恥ずかしいをもって、抑制してくださいませ💦
詩吟に満たされた時間を多く持つことで、
晩節が豊かになります。(^-^)
◆江戸時代1603年〜1868年
鈴木正三 1579-1655. 島原の乱1637
中江藤樹 1608-1648
伊藤仁斎 1627-1705. 明暦の大火1657
新井白石 1657-1725. 駿河湾地震1707
石田梅岩 1685-1744. 享保大飢饉1732
佐藤一斎 1772-1859. 天明大飢饉1782
頼 山陽 1781-1832
二宮尊徳 1787-1856
吉田松陰 1830-1859 天保大飢饉1836
小田原地震1853
関東大震災1923 大地震70年周期説、飢饉50年周期説。
いつまでも有ると思うな親と金。
無いと思うな悪事、災難。